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超大企業で働くなかで「大企業病」を真剣に考える。

この記事は約13分で読めます。

私は国内の大手企業(規模としてはグローバルな超大企業)に勤めており、副業でサイドビジネス・コンサルティングぽいお仕事をしているオッサンです。

世のなかがインターネットによって情報化社会となり、企業のほとんどがネットワーク社会にかかわった企業活動や生産活動を行っているグローバルな状況の中で、「大企業病」と言われる一昔はやった言葉がまたキーワードとして挙がってきたのではないかと思います。

残念なことに私が勤める超大企業でも「大企業病」が蔓延っており、大企業だからこそ、いい加減な経費やコスト管理だったり、チョットおかしな人の関係や協力会社・取引先などと業務が成り立っている「おかしな状況」が存在します。

中小企業にお勤めの方や起業されている人達から見ると、この大手企業に蔓延る「大企業病」は知れば知るほど「倒産する危険要素」と感じると思うのですが、そんな思いもどこえやら・・・ 大手企業だから潰れることなく、「そんなバカなことがまかりとおる」という実態が垣間見えます。

余り詳細に詳しく書くと、私の生活に支障が出るためオブラートに包んだ書き方をしますが、同じ境遇のかたは「そうだよね」、大企業病に無縁の方は「まじか・・」と思うかもしれません。
そんなこんなで、行き当たりばったり書いてみたいと思います。

大企業病ってそもそもなんやねん。

誰が言い出したのかよくわからん「大企業病」という言葉。 この「大企業病」という言葉一つで「大手企業」ってわかるのですが、大手企業や大企業とと呼ばれる会社は世間一般の定義として「一般的に業界の中で規模や売り上げ、シェア率などが上位にあり、世間的によく知られている企業」であって「資本金として計上した額が5億円以上であること。 負債の部に計上した額の合計額が200億円以上であること」なんだそうですが、これを正しく税務で考えた場合は租税特別措置法では、「資本金または出資金が1億円を超える、または常時雇用する従業員の人数が1,000人を超える法人」が大規模法人=大企業と言うそうです。

このような規模に勤めている会社員は国内では「大企業が約1,229万人、中小企業が約2,784万人であることから、全体の30%の人が大企業で働いている」なんだそうです。

そう考えた場合、私の勤めている会社はその30%の中でも「資本金1000億で売り上げが3兆円を軽く超える世界中に支店と工場、グローバル販売網を持つ会社で多角経営してる様々な子会社を持つ企業」はさらに少ないのだと思います。

私の場合、大企業に勤めていることを自慢しているのではなく、ただ単に生活の糧として たまたま勤めているだけなのですが、流石にこの規模の会社に勤めるまではかなりの勉強や運など条件が良くないと無理な状況だと思いますが、勤めてみるとやめたいと思うことが非常に多いです。 いいとこ務めてる=給料が高い=安定していると思うかもしれませんが、そうでもありません。 給料が良い人はそれなりのポジションになりますし、悩んで自殺する人も多く、もっと言うと離婚が多いし荒れて会社を辞める人もいます。 大手だから安定している=うらやましい=自慢していると思うかもしれませんが、実態は本当にヤバいです。
目をつけられれば降格・転勤・退社に向けた罠、法律に触れないグレーゾーンギリギリでのいじめ。

これもある意味「大企業病」の一部かもしれませんが、世の中の「大企業病」ってなんなのかサクッと箇条書きで書いてみたいとおもいます。 この箇条書きは私の会社で起きていることであって、実際に中を知ってる人間が「これこれ、これですよ!」っていう共感できるものを上げさせてもらっています。 よって、ネットで調べるともっと違うことが書いてあるかもしれません。

大企業病の症状リスト

  • 組織あるいは従業員の保守的でネガティブな企業体制・組織風土である。
  • 上司の顔色や要求内容を見て仕事をするので、それ以外はやらないしめんどくさい。
  • 上司が自分に対しどのような評価をするのかを重視し、それにかかわる行動しかしない。
  • 新しいことにチャレンジしない社内体質。
  • 上司の質問や行動にとにかく合わせる「取り巻き社員」が多い。
  • 何をするのも縦割り組織的判断で、信じられないくらい意思決定のスピードが遅い
  • 決まった期限内に回答する必要がある決定事項を上司が期限ぎりぎりまで保留することがおおい。
  • プライドだけが高く、自分に必要なスキルや教育が不足していることを認めない。
  • 現状維持を何よりもどんなことがあっても優先し死守しようと試みる。
  • 幹部候補になる人材を高卒または大卒に社内教育し、それを繰り返すことで新しい空気が入らない閉鎖教育を行い、古い考えや体質を「最先端の会社の考え」として自信をもって教え込む。その教育を受けた人材が将来、昇進し同じ教育を行う負のスパイラルに気が付かず、会社の人材育成として今も残っている。
  • 社内文書が正式書類として成り立たないような書式書体で構成され、普通に作成使用されている。
  • 書類作成や決定事項に対する取り組み、行動に責任の所在が不明確なものが多い。
  • 顧客ニーズより社内ニーズを優先。
  • この会社はヤバいと感じた優秀な社員は、ことを荒立たせずに「そっと静かに辞めていく」
  • 役職者や管理者として、素質がない人がなぜかそのポジションに座っている。
  • 社内に事なかれ主義層が多く、派閥的な社内政治が存在する。
  • 新しい考え方や管理方法を受け入れず、推進派または推進しようとする人を排除しようとする。
  • 既存のルールや作業の方法など守っているようで、守られず書面化やルール化されたものもない。
  • 根拠のある数字や結果調査をもとにした行動がなく、上司も追及せずにすべてがいい加減になっている。
  • 社内に人の噂が多く、仕事以外の情報交換の輪の中で構成された上下関係が生まれている。
  • 従業員に対する評価基準が明確でない さらに評価するだけの知識や考えがない。
  • 派遣社員や期間従業員を簡単にバカにする風潮(相手を見下す傾向)がある。
  • いろんなことを提案し改善を頑張る社員は煙たがられ追い込まれて孤立してしまう。
  • 仕事に対するモチベーションを削ぐ環境で「あきらめ社員」が多い。
  • 結果的に「ぶら下がり社員」化してしまい、適当にあしらって定年まで生きることを選ぶ。
  • 視野が狭くなり自分の仕事にしか関心をもたなくなる。
  • 役職者や管理者は世間体で発信されるトレンドキーワードを使うが、実は社内で構築運用する能力がほとんどない。
  • 上司が部下に対して好き嫌いで判断し、仕事の中身を理解せず適当にあしらう。
  • 仕事中に人をころころ変えて雑談している社員が多い。
  • コンサルティング会社が入る割に成果が上がらないで何年もコンサルを続けている。
  • とにかく会議が多く、会議をするための資料を作るわりに決定推進事項がない状態になる。
  • 毎日何らかのよくわからないやってもやらなくてもよい会議がある。
  • 打ち合わせや会議に新しい考え方を知るために「関係のない他部署の意見を聞く」というルーチン参加を常に行う。 行う事で当事者以外の発言を求められ頓珍漢な質問や要求を発言し推進してしまう。
  • 社員上下関係を無視したコミュニケーションという名の「垣根を超えた付き合い」を会社が推進する。
  • コスト管理や生産性の管理より、生産することが「褒められる」事業体質となっている。

もう、この辺りでやめときます。
書き始めるとものすごくたくさんの箇条書きになってしまいますが、これを中小企業の方が見るとため息が出ると思います。 大企業は決定権が早くて売り上げを上げるために様々な部署と効率よく進めてるから売り上げも高く新しい商品や事業を展開していると思うのではないでしょうか。
では、実態はどんな感じでしょうか・・。

大企業の中はズブズブでザル勘定かつ出る釘は徹底的につぶす。

私がこんなこと書くと、会社にばれればつるし上げられてクビになると思うので勤めている会社や事業内容は伏せます。 ですが、過去に異業種交流会などでお話をした他社の従業員の方々も同じ大企業の「変なとこアルアル」について懇親会で盛り上がることがありました。

じゃあ、大企業の中ってどうなのよ?って思うでしょうから、実態含め だらだら書いてみたいと思います。

大企業にはいろんな人が居ますが、基本的にふらふらしている人が多いです。 私は中小企業に勤めていた経験があるため、そんな社内の中を見ると、「絶対、中小企業ならこの人クビだよね」っていう人がものすごく多いです。 例えば役職者などは「なかよしこよし」な意見が合う人で構成された上下関係があり、何をするのも「なぁなぁ」で進みます。 当然、決定権がある役職者ですが「決定に恐ろしいほど時間がかかり、リスクのある決定はうやむやな返事をして壁や山を乗り越えようとはしない」人が多いです。

よくあるタイプですが、あっちふらふらこっちふらふらしている従業員は、社内の噂を仕入れそれを他部署の従業員を分かち合う大型通信機能を持った社員さんがおられ、この方々は「できる社員」を陥れる罠を作ったり、追い込むネタを広めたりする非常に厄介な部類の人たちがいます。 この人たちはなぜか怒られることが無く、たばこ時間が多かったりトイレに逃げ込んだり、隠れて休憩時間を増やしたりしていることも多々あり不思議な不幽霊と化しています。

別のタイプはそれにぶら下がって「自分の意見がない」社員が一定の割合にいて、裏で文句は言うものの表と裏の顔が見え隠れする「ことなかれ」社員がいます。 こういった社員さんは意外とプライドが高いのか、自分たちが否定されると文句を言いますが、行動には数値的な裏付けや根拠がないことを説明されても、常識当然と言わんばかりに改善することなく、いい加減なままルーチン業務化しています。 いわゆる改善とか新しい管理方法といったものを損得や業務負荷を下げることにつながる内容であったとしても、自分たちに恩恵があるはずの事柄が理解できない人達です。 中小企業にこのような人は多少居ると思いますが、同族企業の社長とかいるような小さな会社だった場合は、「ちんたらやって人の言ってることを聞かないやつ」となってクビになると思うのですが・・・ 大企業はそうはならないんですよね。
そういう人がなぜか役職者にいるという不自然な構成がおおくあります。

ものすごく少数の部類として「頑張る人」が一定の割合でおられます。 この少数派は多分、よその会社や中小企業なら会社経営を主軸に考えた業務改善や提案などを行う優れた人の部類になると思いますが、大企業病を発症した会社では、「頑張る人」ではなく「迷惑な人」扱いになります。

例えば、他社の改善業務のやり方を自力で覚え、大企業病の自社内で展開活動をしようとすると、新しいことや考え方より、今迄のやり方を好むので「意見が合わない」といった流れになります。 場合によっては他部署と一緒に改善しようと試みることもあるため、「イランことするなよ!」という図式になります。 よって、この少数派は一生懸命改善しようとしている割に、周りからは変人扱いされ何を言っても受け入れられない状況が続きます。

結果、先にも書きましたが「燃え尽きてしまう人」が一定の割合で発生し、悩みに悩んで東京都内なら電車に飛び込んでしまうような人が出てこないとも言えない状況になります。(現に自殺未遂をした同僚がおられます) また一部の人は「あきらめ社員」や「ぶら下がり社員」にみずから考えを変えて「転用」されている方もおられます。 さらに若い人は潰しが効く間にヤバい会社から「さっさとやめて、まともな会社」に転身する方もおられます。

「大企業に勤めてて給料が良くていいよね」って思っている方の半分は考え方があってると思います。そういう部類の人は「大企業病」に患っている社員さんなのでドンドン言ってあげてください。 ほぼ間違いなくこの手の人たちは自分のことと捉えることなく「意見が合わない厄介者」のことだと思ってると思います。
多分気が付かないとおもうし、気が付くようなら人の意見を聞いてると思います。

大企業病に患ってない「意見が合わない厄介者」の頑張る社員は本当にみじめなものです。 おかしいと思っていても企業風土や考え方を改善できない超巨大な岩なのですから、こういう人に「大企業に勤めてて給料が良くていいよね」っていうのは的外れです。 そんなこと言われたら死にたくなります。

この大企業病に患っている大手企業には絶対的なわかりやすい指標があります。
それは「どんな業務も意思決定が通常企業より何倍も遅い 異常に遅い ありえないぐらい遅い」という特徴があります。 書類を作って上申しても返事は翌週やよく翌週になったりメールで催促しないと返事が無かったりします。「十分中身を見て精査し、自ら理解して返答するので遅くなる」のではなく、本来の仕事ではない雑務に追われ適当に対応するため、ほとんどが中身を十分理解せずに返答したり、実行決定したりしますので、様々なところで問題が発生し、決まって「問題のすり替え」・「責任転換」を行ってしまいます。

そんな会社なんかねぇよ おまえの勝手な空論だろ! って人もいると思いますが、大手企業に勤めている人は前述の通り30%で、そのうち大企業病を患っている会社は数%だとおもいますから、そう思っても仕方がないと思います。 まぁ実際の中の人は笑いながらソレそれ、あるあるでしょう。

よくあるのが、他社から転職してくる人達の話ですが、彼らは他社から引き抜かれたりして、大企業病に患っていない会社の風土的考えや業務改善などの新しい「風」を送り込もうとしてやってくるのですが、リストで上げた通り、「新しいことはやりたくないし今迄がいい」ということで出る杭になってしまい叩かれます。
当然、彼らは頑張りますが出る杭は徹底的に叩き込まれて意見が言えないくらいつぶされ、異常に遅い決定判断に耐え切れず、再転職か静かに生きることを選択します。

出る杭は徹底的につぶされレッテルを張られ、ありもしない噂をばらまかれて再起不能になります。

こういった環境では、経費面でも明らかになる事象があります。
それがコスト管理ができていないザル勘定が多いということです。 例えば製造業の場合は生産活動についてはおおむね「安定した計画された生産数の維持」をしないと怒られますから、「生産する事」に注力して そこばかりを追いかけていることが多いです。 新しい管理や考え方を排除する風潮が「大企業病」に患った会社はありますので、コスト管理や経費管理など様々な生産活動を支える基礎指標がいい加減になっており、そういった「管理する」という部分がかなり抜け落ちているのが現状です。 これが中小企業だった場合、生産するものは、「利益がある生産活動」なのか「赤字生産」なのかでワイワイなりますが、流石大手企業だけあって、どんぶり勘定で「もしかしたら赤字生産になってしまっている可能性」があっても、何のお咎めもなく普通に生産していたりします。

私のいる会社でも、製品1個当たりの生産経費金額や生産単価は不明確で、そういった試算データに必要なデータ管理はほとんど行われていません。 やる時間がないのではなく、生産さえしてればいいという考えが蔓延しているからです。管理者は面白いことに、そういった管理は必要がない(昔からの管理方法を教えられ続け、新しい考えが入らない環境では必要と感じない)と思っている人がほとんどです。

大手企業の社長や重役はそんなことに気が付かない。

残念ながら大手企業のお偉いさんは、自分の会社が大企業病に患っていることに気が付いていませんし、そういう会社ほどテレビやマスメディアに社長や重役が出て、自らの会社の製品や品質をアピールしていたり、新しい事業説明をして最新テクノロジーと「自分の会社が一流」であることを それとなく消費者に訴えています。

ですが、会社の中はそういう人たちで構成されていますから、物事の進むスピードも本来ならもっと早いかもしれませんし、もっと新しいやり方や考え方でドンドン生まれ変わっているものだと思います。
しっかり管理すれば、実はもっと利益が出ているのではないか?と思うことがかなりあります。

先に挙げた「大企業病の症状リスト」のほとんどは、社内改善が進まない原因であり、人のファクターでは優秀な人材を排除し、無駄な人件費を助長させ、会社の健全な運営スタイルを壊しているため、細かく試算すれば「ものすごい億単位の損失」になると思われます。

これは大企業は多角経営であって、事業範囲が広くグローバル化しているからこそ、対象範囲が多いという事になりますから大損害です。

そういうことに気が付かない会社社長や重役の人たちは決まって、現場に来ても現場の状況を見抜けない「都合のいいこと・聞こえがいいことだけを聞く癖」が身についているといえると思います。
現場に要求する資料に逃げ場のない実態調査を求めることもなく、いい加減な管理者が報告するデータを信用してしまっているからこそだといえるのではないでしょうか。

外資系企業の方だとすっげー会社があるんだねって思うかもしれません。
中小企業で一生懸命、社員が生活するために妥協せず営業外回りしている人や生産している人からすると、大企業ってそんな管理なんだ・・・ って思うと思います。

残念ながら、「大企業病」という言葉がある限り、そんなもんです。
出る杭は徹底的に叩き込まれて再起不能になる人を横で見て、ぐっと我慢するおじさんのお話でした。


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