私は国内グループ10万人、グローバルグループ25万人の従業員を抱える会社と中小企業の250人の企業、副業で個人事業主の経験があるゴンタです。
起業系のセミナーやちょっとした謎の集会などで務めている会社の名前を言うと決まって「大企業に勤めてていいよね」って言われます。 この言葉の裏には何があるのか、いつも言われると決まってその裏を確認するために色々お話をしながら背景を探るのですが、大まかには大企業=会社安定とか、給料がいいとか「定年まで安泰だよね」みたいな話になるんですよね・・
ンなわけねーだろ。
超巨大企業って資本金が5億円以上で常用雇用者が1000人以上が大会社と呼ばれています。 比率的には2023年調査では大企業は全体の0.3%の1.2万社で中小企業は99.7%の419.8万社となります。 この大企業0.3%の中で資本金が100億以上の国内従業員グループ10万人、グローバルグループ25万人の規模の会社は0.3%の中の0.05%にすぎません。
確かに、「大企業に勤めてていいよね」って言われるのは確かなことで、非常に恵まれているのはありがたいことですが、「いいのか」と言われると、勤めてる人間からすると「ンなわけねーだろ。」と言いたくなります。
超巨大企業の良いところは福利厚生が充実しており、社員も多く仕事量も分散化されているため中小企業のように皆が会社の収益のために必死になって働くという部分が薄いところがあります。 そういう面でも超巨大企業に勤めているほうが安心感があるのは否めません。
超巨大企業に勤めることが「よい」か「悪いか」
ゴンタ的には中小企業での仕事も経験していますから、超大企業と中小企業のどちらの立場も理解できます。 「超巨大企業に勤めてていいよね」という言葉は、実は外野からの妬みのような部分もあり、超巨大企業の内部実態を知らないうえで想像による言葉だと思います。 私が知る限り取引先の大企業もよく見ると「よい」とは言い切れず、内部実態を知ってしまうととても耐えられないようなこともたくさんあります。 大手企業に勤めているのに「やめたんだ」と思う人もいると思いますが、大手でも条件が重なると0.3%の大企業を捨てて転職する人はいるという事です。
それでは大企業の実態はどんな感じでしょうか・・。
人それぞれ意見は違うと思いますが、取引先の会社や自社の内部をよく見ると色々あります。
- とにかく人が多く、自動化より人海戦術ぽい動きがある。
- 部署の中に細分化された組織形態があり、それぞれに管理者が存在するため意思決定が非常に遅い。
- トップダウンの決定事項の推進に非常に時間がかかる。
- 部署の管理者(役職)の管理スキルが著しく低い。
- 縦割り組織的な部分があり、非常に風通しが悪い。
- 新しいこと(プロセスの変更・他社の管理手法など)を取り入れようとしない現状維持を好む。
- 現状の構成を好み、新しい外部の管理手法や業務改善に対しスケジュール通りに進めようとしない。
- 自分がやらなくても誰か別の人がやってくれると思っている人が非常に多い。
- 部下が業務改善などを提案してくると自分の立場が危うくなると考え、つぶす傾向にある。
- 物事の管理が口頭管理が多く、数値管理が少なく全体的に漠然とした曖昧な決定事項が多い。
- 管理者自らが忙しいなどの理由で業務計画やスケジュール管理に必ず遅れが発生する。
- 新卒採用枠を社内幹部候補として位置付けており、教育する側も新卒枠で育った管理者のために昔の管理手法や考え方を新卒採用者に教育を繰り返すために、新しい考え方が入らない風潮がある。
- 比較的簡単に備品や設備などを購入することができ、予算・実績管理が甘い。
- 中小企業に比べコスト意識が著しく低下しており、人件費や労務費、購入品の経費など無駄が多い。
- 組織内に多数の派閥があり、業務の推進に派閥の思惑が組み合わさって物事が進まない。
- 職場内に特定人物だけの秘密のLINEグループが存在し、村社会的な組織が存在する。
- 派遣社員や契約社員を見下す傾向があり、社員優先かつ社員がやりたくない業務を押し付けている。
- 間違えた管理や物事に対して補正をすることが容易ではない。
- 事細かいルールにこだわり会社内に様々なルールがある割に抜け穴が多く、実態にそぐわないものが多い。
- 学校的な閉鎖空間があり、組織内に人をターゲットにして噂の流布や吹聴、相手を陥れる嘘の流布を行うグループが多数存在する。
- 職場や会社のあるべき姿を求める社員はつぶされる(出る杭は打たれる)
- 業績に大きく貢献したりした場合は、妬むものが多い。
- 一定の割合で疲れ切った人員が存在し、やる気がなくなり言われたことだけを淡々と行う人がいる。
言い出すとたくさんまだまだありますが、人によっては中小企業でも上記項目と同じことがあるから一緒じゃんっと思う人も必ずいると思いますが、組織がデカいだけにとにかく上手く立ち回らないとあっという間にありもしない噂などで追い込まれます。
こういう世界を大企業病ともいわれ、様々な弊害が組織を壊し会社収益をむさぼる管理者とその取り巻き従業員が増える傾向にあります。
中小企業をベースに考えるともっと利益が出るはず。
大企業に勤めた人はわかると思いますが、ベンチャー企業や中小企業に比べて「大企業や超巨大企業・老舗企業」は物事の推進に対する進捗スピードが信じられないぐらい遅く、意思決定が遅すぎる傾向があります。 この原因は管理者の管理能力が著しく低く、中小企業ではそんな能力欠如の社員を上司や役職者の立場にあてがうことが「ありえない」人材を役職者にしており、物事の推進にも影響していることが多いためです。
中小企業のように1人でも遊んでいる人が居ると会社の収益や業績に影響するため一生懸命働く(会社がつぶれると困る・給料が下がると困る・もっと給料が欲しい)傾向にありますが、残念ながら大手企業には会社組織が大きく部署の規模も所属人員も多い中で、一生懸命働く必要がない(会社に出勤えしてれば給料がもらえる・会社がつぶれることはない・給料に昇進以外のブレがない)ために手を抜いたいい加減な社員が多いことに注目すべきです。
当然、工場生産のような部署の場合にはコスト意識が著しく低下しており、経費管理もあまいことから中小企業のように「お金がかからない改善」や「無駄なものは購入しない」という意識もなく湯水のごとく経費使用をしている傾向にあります。 さらに中小企業のように従業員が少なく、少ない人員で業務が遂行できるよう様々なアイデアと工夫をして乗り越えるのではなく、人がとにかく多いため他人任せで「自分が一生懸命しないでも誰かがやってくれる」とか、あまりやりすぎると「ひとのしごとまで奪ってしまう」という人が多いために発生する無駄な考えや動きが多く結果的に人件費・固定費の増加になります。
中小企業経験者の私でさえ、この職場にこれだけの人員がいるのはおかしいのでは?とか、この人は終日この作業のみで簡単な改善設備を投入すれば無駄な人員固定費と人によるミスが防げるのに・・ といったものが多くあります。
中小企業的目線で業務改善を行うと、人員削減と経費削減ができもっと収益は上がると思いますが、TPSなどを推進する割に自己保身的な動きが多く、「矛盾が多く本音と建て前の世界が多い」のが大手企業の実態だと思います。
大手企業に勤めているのに退職する人とは・・
私が知る限り、大手企業を辞めていく人は「かなり優秀な人」が多いと思います。 そのような人は大抵、自分の意志が強く業務改善や仕事熱心に取り組む人で、話をしてみると広範囲の物事を理解し、原因を見出して改善を行うといった行動派が多いと思います。
大手企業では、実はこういう人は「排除」される傾向が非常に大きく最後には「無視」されてしまいます。
ようは周囲は「のんびり言われたことだけやってればいい」という人が多く、役職者は偏ったスキルで中小企業ではそんな人は人選しない、チョットあり得ない人だったりしますから、自分のテリトリーをいじられたり変化を求められると即座に反発する人が多いので、「出る杭は打たれる」状態で、結局だれも相手にしなくなります。
結果的に、「かなり優秀な人」は物事がうまく回らなくなり、思い悩むことになります。 時間が経過すると「かなり優秀な人」は会社組織に見切りをつけ、自己スキルを磨きながら転職を選択することになります。
私が知っている人は、「この会社には私を必要としていないようです」と言って別の外資系企業に転職し、年間給与は1千万円でバリバリ働いている人が居ます。 また工場現場の作業員として社員入社された人は急に仕事をしなくなり、休憩時間は一人で本を読んでいるようになったので聞いてみると国家公務員試験を受けることにしたといって警察官になった人が居ます。 その人は「この会社は仕事ができない人が役職管理者であってまともではない」と言って気が付いたので辞めていきました。
「大企業だからいいよね」とは、内部事情がは分からない人の「理想像」から出る言葉だと思います。 内部事情は組織が大きい分だけ会社が安定していますが、逆に給与や職の安定性が保たれている分だけ「事なかれ主義」的人材が多くなり、物事の推進に異常をきたし、世間での常識的な考えが通用しない世界があります。
結局のところ、「大企業」も人がどれだけ健全な環境下でコミュニケーションを大切にし、人と人が尊重し大事にしていい職場環境になっているのかどうかです。
中小企業のほうが幸せな部分があることも理解したほうがよいかもしれません。