Snapmaker2.0 エンクロージャー 排気ダクト屋外排出&開閉弁製作 設計編
みなさんこんにちは!
Snapmaker2.0はKickstarterで申し込んだバッカーの皆さんは、ほぼ出荷されたようで多くの方がSnapmakerの3Dプリンタやレーザー・CNC加工を使った作品をYoutubeやTwitter、Instagramなどで作品がどんどん公開されています。
私の手元にあるSnapmaker2.0 A250は購入時にエンクロージャーというA250を囲う形の専用カバーを同時購入しました。
結構な値段がするカバーですが、レーザーの反射での被害を少なくできますし3Dプリンタ出力でABSなど剃りやすい素材などはエンクロージャーで保温効果がかなりあり、反り抑制に多少なりとも貢献しています。
このカバーのいいところは防音も兼ねており出力成形中の様々な加工音や駆動音を抑えてくれるので買ってよかったと思う今日この頃です。
エンクロージャーの排気ダクト機能
Snapmaker2.0 Enclosureには背面に80mm角の排気ファンが付いており、φ75mmのアルミ樹脂フレキシブルダクトが付属しています。
Snapmaker2.0の全てのモデルは3Dプリンタ以外にレーザー加工やCNC切削加工ができるため、加工時に発生する煙などを排出してくれる排気ダクトが備わっていますが、ダクトホースを屋外に排出するのは、なかなか難しいことに気が付きました。
排気ダクトはφ75mm(ノズル外径φ84mm以下)のフレキシブルダクトですが、窓から排出しようとしても開放部の8割は「開けっ放し」になってしまうため、何らかの”ひと工夫”が必要となってきます。
排気ダクトを窓から排出するには?
排気ダクトだけを窓から だら~んと出してもダクト幅だけ窓が開いてますから風が吹き込んだり、折角排出した臭いなどは部屋へ戻ってきてしまいます・・・。
Amazonなどで排気ダクトを既設の窓に取り付けできるアダプターが販売されていますが、これって作業をするたびに窓を開けてアタッチメントを窓開口部に挟んでダクトを取り付けるといった手間がかかります。
あと引違いの窓の場合、窓ガラスと引違いの窓との間に隙間ができるため、虫やら風などが入ってしまい便利な半面、ガラスとガラスの間にパッキンを挟むなどの工夫が必要となってきます。
どうしても取り付ける場所がない場合は値段も安いですし、手間はかかりますが、このアダプターが排気ダクトの排出方法では最有力候補かもしれません。
屋内外換気口を利用する方法
ちょいと難しい話をしますが、今の戸建てを建てる時に建築設計士との打ち合わせでシックハウス症候群の対策として2003年7月に建築基準法の改正されたので換気用のパーツが各部屋に取り付けしないと行けないんですよ~と言われたことを思い出しました。。
この建築基準法改正で居室に常時換気可能な設備を設けることが義務づけられ、部屋の大きさによっては1個以上の自動換気装置または居住面積に従った自然吸排気口が必要となりました。
左の写真のような給排気口があるご家庭ではこれを使って排気できるかもしれません。(自然給排気の意味がなくなってしまいますが・・・)エアベントダクトコネクタ
なかには電動ファンが付いた自動換気装置もありますが、ほとんどの給排気口はネジ4本で壁に取り付けられており、壁の塩ビパイプに差し込んでいるだけなので誰でも簡単に取り外しができます。。
この給排気口を使うことで排気ダクトからの排気を直接屋外に出せると思ったので、ちょと部品を設計してみようと試みました。
給排気口を利用した排気ユニットを設計する。
我が家は建築時にコストダウンを図るため、すべての部屋の扉やカーテンレールなど共用できる部分はすべて同じもので統一して購入取り付けしました。 本来なら業者手配の業販価格だと思うのですが通販のほうが安いこともあるため自分で購入し施工業者に取り付けてもらいました。
我が家の自然給排気はPanasonic VB-GX100PF2(ベンテック)が部屋についており100mmx100mmの4箇所ネジ止めでした。
せっかくSnapmakerの3Dプリンタがあるので時間はかかってしまいますが部品を作成して自分で組み立ててエンクロージャの排気ダクトを接続したいと思います。
【使用するもの】
- Amazonで売られているφ75mmアルミフレキシブルダクト5m
- ダイソー100円均一の瞬間接着剤
- ダイソー100円均一のインシュロック(結束バンド)
- ダイソー100円均一のキッチン・フードフィルター
- PLAフィラメント1.75mm
- 設計の時間と成形出力の時間に比例する折れない心。
上記のものを揃えると以前に挙げたAmazonで売っている窓取り付けアダプターぐらいの値段はしてしまうかもしれませんが、隙間風や逆流は避けられるのでこっちのほうがいいかもしれません。
3Dプリンタで出力できることが条件。
いろいろ構造を考えてみたのですが、ネジを使ったりして組み立てるのは好きではないので簡単に取り付けできてメンテナンス性があり、3Dプリンタで出力成形できることを念頭に設計してみました。
給排気口は4つの部品で構成し、排気口逆流時の外からの風対策としてキッチフードフィルタを取り付けることで外部からの逆流時のホコリやゴミ、いや~な虫を通過させないようにしユニットをすぐに分解して掃除ができることを設計に盛り込みました。
- 給排気口ユニット本体
4箇所の取り付け穴とスライドパネル2枚をはめ込む溝つきの本体カバー - 給排気口ダクト差し込みジョイント
ジョイントに外周に両面テープを貼ったフィルターを貼り付けユニット本体から差し込むためのジョイント - フレキシブルダクト取り付けスライドパネルφ75mmアルミフレキシブルダクトをインシュロックで取り付け、ダクトを下向きに取り付けるためのスライドパネル
- スライドロックパネル
給排気口ユニットの本体に上からパネルを差し込み、フレキシブルダクト取り付けスライドパネルの溝に嵌め込みロックすることで脱着を用意にするパネル。
我が家は100x100の4箇所のネジで壁の中の塩ビパイプはφ96前後なので、皆さんのご家庭で同じ仕様であればSTLデータが使用できるかもしれませんので後半で設計データを公開しますね。
屋外からの逆流を開閉弁で抑止する。
給排気ユニットだけだと外からの風が逆流してSnapmakerのマシンに吹き込んでしまうので、開閉弁が必要になってきます。
市販品でもAmazonでエアベントダクトコネクタという開閉弁が販売されていますが、φ75mmダクト用ではなくφ120mmとかφ100mmがほとんどで、結局のところ設計することにしました。
こちらも3Dプリンタで出力できるように設計してみました。
- 開閉弁ケース
半分のSTLデータですが、製作は2個成形出力して開閉弁を挟んで接着剤で固定します。 - 開閉弁
こちらも半分のSTLデータですが、製作は2個成形出力し接着剤で固定して開閉弁ケースで挟み込み回転させて使います。 - 開閉コック
四角い穴を開閉弁の四角形状部に差し込み、開閉コックとして使います。
文字が印字されてますが白パテなどで埋め込み表面を据え切りすることでCloseと矢印方向が見やすくなります。
紹介用の動画
Youtubeで今回の設計品など紹介してますので、よかったら見てやってください。
設計データのダウンロード
今回、設計したデータを3DプリントできるようにSTL形式で出力し、給排気ユニットと開閉弁ユニットの2つをZIP圧縮しています。
データは改変、再配布は認めておりませんので共有する場合はこのページのURLにリンクしてください。
DownLoad : Snapmaker2.0用 給排気ユニット・開閉弁ユニットSTLデータ
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Snapmakerを購入したいのであれば日本代理店経由ではなく、メーカー直販から購入したほうが価格的にも安く、最大のメリットはSnapmakerサポートに対して不具合対処をしてくれることです。
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紹介した部品などはこちら
Snapmakerとは? 知らない人におすすめのモノ
Snapmakerはキックスターターで一躍知名度がアップし、初期モデルのSnapmaker 3-in-1 Originalが発売されました。 現在ではSnapmaker Ver.2のキックスターターがスタートし量産・出荷を開始しています。
このsnapmakerの良いところは主に以下の点で優れていることです。
- 筐体が金属製(アルミ合金)
- リニアステップモーターを使用したモジュールリニアレール
- 付属ソフトの優秀さはピカイチ
- 1台で3Dプリンタ・レーザー・CNCカービングの3種の加工ができる
- 加工精度が非常に高い。
- NC系の旋盤・マシニングなど経験がある人には更に奥深い加工ができる。
- 3つの機能がついて値段が安い。
- Snapmaker Ver2.0から加工サイズが違う3機種をリリース
- 後付けでオプションを追加できる(回転C軸など:リリース予定)
- 国内代理店が存在しメーカー保証・部品販売に問題がない。
安い3Dプリンタは加工精度が悪く、3Dプリンタとして出力にも影響するようなものが多々ありますが、このSnapmakerは非常に安定している加工機です。
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