最近では自然災害の発生比率が地球温暖化のために非常に高くなっているものの、家を新築で建てる場合にはそういった条件を織り込んでいない、従来の建築設計の家を建てることが多いようです。
しかし、家を新築で建てた場合には、最低でも30年はその家に住むことが前提だと思いますが、その間に水害で、家自体が水没する可能性もあります。
従来通りの建築設計の考え方では、これから発生する水害に対処できないことは明白ですので、水害を考えた家を建てることをお勧めします。
この記事では、水害に対する考えとともに、水害対策を盛り込んだ家の設計についても書いてみたいと思います。
水害が発生する可能性がある地域に家を建てる場合
まず、マイホームをこれから建築しようと考えている住宅購入者は、ほとんどの人は銀行などから30年ローンを組む人が多いのではないでしょうか。
逆に考えると、新築の一軒家を購入した場合は、ほとんどの人が30年ローンで30年間は最低でもその家で生活することになります。 しかしながら、これから先の30年間に発生するかもしれない災害に対して対策された家なのかどうか・・。 せっかく購入した新築一軒家が水没してしまっては、その都度修繕費が発生し、最悪の場合は住めなくなる可能性もあります。
ですので、まず建築する土地の状態を調べることから初めてください。
新築一軒家を建設する前に、土地を確保すると思いますが、良い土地物件を見つけたら住所を控えて最寄りの市役所の都市計画や土地管理をしてる課に相談してください。
水害ハザードマップなどを利用して、購入する土地が水害発生エリアに入っていないかを確認することで、その購入検討している土地の状態がわかります。
また、最寄りの地域図書館で近隣の土地に対する調査報告書や地質図なども調べることができる場合があります。
家を建てる前に、周囲より高台で水没エリアから離れている。 または、水害の問題がない土地を購入することをお勧めします。
河川が近くになる場合は水害は発生する可能性は必ずある。
購入する土地の周囲に河川がある場合は、水害が発生する可能性は必ず存在します。
多くの人は、過去に水害が発生していないから問題ないと考えると思いますが、これから先の未来では地球環境が変わっており、災害級の大雨や台風が頻繁に発生する時代に突入しますので、今までの経験則はあてにならないことを覚えておきましょう。
小さな河川であっても、漂流物でせき止められたりした場合、川が氾濫することもあります。 また、想定外の降雨が発生した場合でも対処できない水量となり堤防の破壊や越境してくる場合があることを考えて家を建てる必要があります。
水害が発生することを前提にした1階コンクリート住宅の考え方。
通常の一軒家を建築するのではなく、水害が発生してしまうのは仕方がないと考えて家の設計自体を考えたほうが良いと思います。
多く発生している水害被害を見ると、大半は床下浸水または床上浸水がほとんどです。
住宅の2階または2階以上の水没については比較的、少なく多くの場合は対処できませんので、このような水没に対する対処は土地購入時に地域状況やハザードマップを参考にしてそにょうな土地は購入しないことで対処します。
では、床下浸水・床上浸水1階までの対策ですが、住宅の設計時点で1階をすべてコンクリート基礎構造にすることで災害対策ができます。
1階をコンクリートの構造体として2階以上は従来の木造建築とし、水害が発生してもコンクリート構造ですから、高水圧洗浄機で土砂や水害ゴミ、粘土や汚泥などを洗い流すことができます。
床下にたまるものについても木材の使用量が少ないため、水害後の修繕費を大幅に抑えることができるのが大きなメリットです。
水害に強い1階コンクリート構造体の住宅の勧め
これからマイホームを建てる方はぜひ検討してほしいのが、水害が必ず発生することを見越した住宅設計を行う事です。 人生においてマイホームは人生1回の高い買い物と言われていますので、一度住宅を建ててから、失敗した部分をもとに次の家を建てる人は稀であることに気が付いて欲しいのです。
人生のうち1度のマイホーム建築ですから、水害が発生した場合には従来の建築工法では床上・床下浸水が発生した場合、修繕費が非常に高くついてしまうので、いかに水害対策をして発生してしまった場合に修繕費を抑え、生活に影響の出ない構造を検討するべきだと思います。
その対策案が、一階の構造体をRC工法(コンクリート造り)で構築し2階以上は木造またはプレハブ構造で建築する方法です。 この1階をコンクリート造りにすることで水害の際に家に住めなくなるリスクを大幅に減らすことができます。
木造住宅またはプレハブ住宅で水害が発生した場合、柱や壁はもちろん床の構造体を残してすべて廃棄することになります。 また、汚泥を含んだ水により柱を痛めカビや腐食を発生させるために、かなりの時間を1階部分の修復に充てることになり、修繕費も非常に高くなります。 さらに1階すべてが使用できない期間が長くなることで生活に不自由な環境となってしまいます。
水害は意外に早く周囲の環境が改善されるのですが、一旦汚泥が流れ込んだ家は水位が下がって道路も車が通行できる状態になったとしても、家の中をすべて汚泥を取り除き、洗浄して換気・乾燥後にカビ止め材を噴霧して床や壁の修復工事になるために相当時間がかかってしまうのです。
最初から1階をコンクリート造り(壁はコンクリートの打ちっぱなしでOK)とし、電気配線は2階部分に主ブレーカーを配置し、1階部分には2階から分岐した2次ブレーカー配線にします。 また、1階部分は水害で沈むことを考え、床下構造も木材ではなくユニット構造の床を選択することで被害を少なくできます。
コンクリートの打ちっぱなしの壁のメリットは壁紙の張替えや壁の再構築を必要としないことと、高圧洗浄機で壁を丸ごと洗浄することで、乾燥すればそのまま壁として復旧できる点がメリットです。 1階に駐車場を設けたり、作業用の部屋などにすることで水害時にダメージが少ない住宅設計ができます。
デメリットとしてはコンクリート造りであるために施工費用が高くつきますが、先にも挙げた通り土地柄が水害を避けれない場所である場合は検討してみるとよいかもしれません。
一番良いのは、水害が発生しても水が冠水することが無い高台の土地を選ぶことです。
住宅を設計する際には事前に様々なことを調べて、悔いのないマイホームを手に入れる努力をしたほうが良いでしょう。